2016年1月26日火曜日

『ブリッジ・オブ・スパイ』

今年のアカデミー賞で、作品賞、助演男優賞、脚本賞など6部門にノミネートされている「ブリッジ・オブ・スパイ」は、作品賞に選ばれた8つの作品の中で、唯一、現在日本で公開中のものです。
この作品は、あのスティーブン・スピルバーグが監督で、主演は、トム・ハンクス。そして、脚本は、コーエン兄弟が担当している・・というスタッフも出演者も豪華な超大作なんです。
「ブリッジ・オブ・スパイ」というこのタイトルと、ちょっとダークなイメージがあるポスターから、勝手にスパイが主役のサスペンスドラマを想像していたんですが、主人公のブレない信念や友情や家族の愛や絆が描かれた感動の物語でした。
それに加えてドキドキする緊張感もかなりあって、面白かったですし、2時間20分ほどの少し長めの上映時間があっという間に感じるほどでした。
この物語は、実際にあった話を元にしたそうで、1950年~60年  
ソ連との関係が悪化していたアメリカが舞台です。
トム・ハンクス演じる主人公の弁護士ドノバンは、保険分野の弁護士として活躍していたんですが、ある日、
ソ連のスパイとしてFBIに逮捕されたアベルの弁護を任されることになるんです。
アベルをを弁護する事でドノバンは、非難を浴びせられるんですが、彼は、自分の信念に従って、弁護士としての職務を果たそうとします。
一方、ソ連のスパイのアベルは、祖国への忠誠心を貫きます。
そんな2人の間にはだんだん、お互いに対する理解や尊敬の気持ちが生まれていくんですね。
死刑が確実と思われたアベルは、ドノバンが弁護した事によって、まさかの懲役30年となり、世間は超ブーイングの中、裁判は終わるんですが、それから数年後、ソ連を偵察飛行中だったアメリカ人パイロットのパワーズが、ソ連に捕らえられてしまいます。
そして、弁護士のドノバンは、共に敵国に捉えられているパイロットのパワーズとアデルの2人を交換する為の交渉をするという大役を任じられるんです。
 一弁護士が国と国との大事な交渉に臨むことになった様子をぜひ劇場で見守って来てください。
この話は実話なので、ドノバンは、国と国との戦争を止めて平和な国を取り戻した男として語り継がれているんですが、彼に言わせたら、ただ、職務を全うしただけなんですよね。
それだけ周りに振り回されることなくブレない自分でいる事が難しい時代であり、そういう環境だったわけですが、そんな中、ぶれない男、ドノバンとアデルのやりとり、そして彼らの友情には泣けました。。
特に橋の上でのやりとりはたまりません。何度も何度もみたいシーンです。
周りがどう思おうと自分が確かであればいいというドノバンの言葉が心に刻まれています。
新年早々素晴らしい作品に出会えました。
ソ連のスパイ アベルを演じたマーク・ライアンスの演技や彼の存在が頭から離れないくらい印象的でした。
彼はアカデミー賞で助演俳優賞にノミネートされています。
この作品を観る前は、助演俳優賞はシルベスタ・スタローンだと思っていましたが、全くわからなくなりました^^;
アカデミー賞授賞式当日が楽しみです^_−☆