2012年8月19日日曜日

Cinema『トガニ 幼き瞳の告発』

名古屋センチュリーシネマで公開中の「トガニ 幼き瞳の告発」は、
昨年から事務所の後輩がずっと、みたいと言っていた作品です。
彼女が好きなコン・ユが主演で、
彼が、韓国の聴覚障害者の学校で実際に起った事件を元に書かれた原作本を読んで、映画化を熱望して、実際に作品になったという事を彼女から聞いていました。


実際に観てみて、はぁ・・・・・。はぁ(*`へ´*)
残虐な事件に、ためいきとぶつけどころのない怒りでいっぱいになりました。
 
コン・ユ演じる 美術教師のイノは、
恩師の紹介で、聴覚障害の児童が通う学校に赴任しますが、
ある日、寮の女性指導員が女子生徒の頭を洗濯機の中に押し付けている所を
目撃します。
そして、その女子生徒から、他の生徒もこの学校の校長や教師から
性的虐待を受けていることを告白されたイノは、ものすごい衝撃と怒りでいっぱいになり、この真実を告発することを決意します。彼には同じような年頃の子供がいることもあって子供達を守ろうと懸命になります。
でも警察は、地元の名士である校長にお金で操られ、子供たちの悲痛な叫びを無視します。
それでもイノは、何としてでも子供たちを救いたいという思いから、
間違っている事を間違っていると世の中に訴える為、
学校や警察、役人達を敵に回して、闘っていきます。
最初はイノにも心を閉ざしていた子供たちも、
イノはこの学校にいる大人とは違って自分たちを守ってくれる、助けてくれる、と知った時、心を開き、思い出したくもない残酷な虐待について勇気を振り絞って裁判で語ることを決意します。
裁判の為に一生懸命自分の意見をまとめたりしている彼らの姿や信頼できる大人たちにみせた時の笑顔と、勇気をもって歩み出す一歩に
たまらなく胸をうたれました。
でも・・・またそこで、ありえないほど腹だたしい事が起って、
弱いものをとことんいじめる校長など権力のある人達に対して
腹が立って、腹が立って仕方がありませんでした。
どんな状況に追い込まれても
諦めないイノの姿、そんな彼を信じてついていった子供たちの
笑顔に救われました。
そんな彼らの姿を観て、私は、
腹を立てたり、怒ったりしているだけでは、
何も変わらない、立ちあがらないといけない!!!と気付きました。
 
たった一人が立ちあがったところから、全ては始まるという事を
この作品は教えてくれてます。

事件を元に書かれた原作があり、それを読んだ俳優が映画化を熱望し、そして、映画をみた人達の怒りが多くの場所に届き、
ついに政府を動かし、「トガニ法」という子どもの性暴力犯罪の処罰に関する法律ができました。
痛めつけられた子供たちの傷は消えないと思うけど、
間違ったことに声をあげ、立ちあがる事がどんな世界でも必要だと強く強く思いました。
一人でも多くの人に観てもらいたい作品です。