第二次世界大戦中にリトアニアで沢山のユダヤ難民を救った岐阜県出身の外交官 杉原千畝さんの半生を描いた伝記映画です。
外務省からヨーロッパのリトアニアの日本領事館の責任者に命じられて、リトアニアに赴任した際、ナチス・ドイツの迫害から逃れようとするユダヤ難民をヨーロッパから脱出させる為に日本を通過するビサを発給するんです。
そのビザを発給するにあたっては、日本政府の命令に背くことになるんですが、
彼は自分がこれからどうなるかなど、何も恐れずに6000人ほどの命を救ったんです。
彼がどうしてビザを発給することになったのか、どのようにしてユダヤ難民達にビザを発給したのかが描かれています。
杉原さんは、6000人の命を救った男だと語り継がれているんですが、彼だけではなくて、彼の言動によって心を動かされた何人かの男たちの力もあって、
難民たちがヨーロッパから脱出する事ができたんです。
正義と強い信念と信念を持った行動というのは、必ず誰かの心に届いて、それが大きな力になるんだと思いました。
そして、彼にとって最も心強い存在だったのは、奥さんだったと思います。
奥さんは、彼がとても大変なお仕事をしている事をちゃんとわかった上で
彼が家ではリラックスできるように、常に明るく朗らかに彼に接したり、
忙しいだんなさんに代わって、子どもたちをしっかりと育てて、家を守ったり・・・と、自分ができる事をいつもとても楽しそうにいきいきしながらやってらっしゃる姿がとても素敵だなと思いました。
そして、常にだんなさんがどういう気持ちでいるんだろう、何をしたいんだろうとか考えつつ、その時にふさわしい言葉を言って彼の背中を押すんです。
決してしゃしゃりでるのではなく、あくまでもさりげなく、そして見えない所でガッチリだんなさんを支えている奥さんがとても素晴らしかったです。
杉原千畝さんの役は、唐沢寿明さん、そして奥さんの役を小雪さんが演じています。
唐沢さんは通常、撮影現場では冗談をたくさん言ったりされるらしいんですが、今回は、珍しくとても静かで、冷静沈着な杉原千畝さんに入りこんでいらっしゃったそうです。唐沢さんの魂がこもった作品です。
ぜひ、ご覧ください。