2013年4月12日金曜日

CINEMA『舟を編む』

先日、全国書店員が選んだ いちばん売りたい本を決める本屋大賞 2013が発表されましたが、
2012年の本屋大賞に選ばれ、現在も売り上げランキング上位のベストセラーになっている三浦しをんさんの小説「舟を編む」が映画化され、今週の土曜日4月13日から公開になります。
この作品は、辞書の編集者たちが20年ほどかけて辞書を作っていく過程が描かれています。
 
主人公は松田龍平くん演じる馬締光也という辞書編集者。
本が大好きで言葉をいっぱい知っている知識人なんだけど、人とコミュニケーションをとる事がとても苦手なんです。
そんな彼が宮崎あおいちゃん扮するある女性に出会って一目ぼれした事から、
人に思いを伝える事が苦手な彼がなんとか自分の思いを伝えようと奮闘します。
それと同時に彼は、仲間とともに「今を生きている人に向けた辞書」をテーマに「大渡海」という辞書を完成させる為に何十万語という言葉を一つ一つ紡ぎながら成長していくんです。
私は、馬締が好きになった女性に何とか自分の思いを言葉で伝えようとする姿から、
言葉というのは、自分の思いを伝える上でとても大切なもので、
人と人は言葉で繋がる事を再認識しました。
彼も含めて、この作品に登場する人達のコミュニケーションの様子をみて、
人が発する言葉は、その人が伝えたい相手の為に、いかに丁寧に選んだかで、
伝える言葉の1つ1つに重みが加わっていくものだと感じました。
私は、気の利いた言葉が言えないという場面で、
思わず口をつぐんでしまった経験が何度もありましたが、
黙ってしまったのであれば、ただの放棄でしかなく、相手に何も伝わらないですもんね。
今後は、気の利いた事を言おうとか、素敵な言葉を言おうとか考えるのではなく、
自分が何を一番伝えたいのかという事を明確にして、
伝えたい相手の気持ちも考えた上でふさわしい言葉を
丁寧に選んで伝えていきたいと、そう思わせてくれた作品でした。

観終わった後、「舟を編む」という言葉がとても素敵な言葉として心に響きます。
そして、大切な人に思いを伝える為に素敵な言葉を編み出したいと
思えるのでは。