2012年1月30日月曜日

映画 『運命の子』



現在公開中の中国映画「運命の子」は、
「趙氏孤児(ちょうしこじ)」という実際に起った
歴史的事件を背景に書かれた物語を
映画化したものです。



舞台は今から2600年ほど前の中国 
春秋時代、晋の国。

宮中に出入りしていた医師 程嬰(ていえい)は、
ある乳飲み子を助けた代償に
自分の最愛の息子さんと奥さんを
目の前で殺されてしまうんです。

そこから彼の復讐劇がはじまっていきます!

実は、彼が助けた乳飲み子とは、
後にこの国の君主になるべきである子。

この子が産まれる直前に、
この子を守る為に命を絶った母親でもある姫様に
この子を託されたのです。

彼はこの男の子を自分の息子 程勃(ていぼつ)として育て、
奥さんと息子を殺した憎き男を、もう一人のお父さんとして慕わせ、
二人に父子の愛がめばえたところで、
程勃に真実を話し、男を殺させる。
程嬰は、この計画だけを目標に生きていくんです。

幼いころは、程嬰に従順だった程勃も
次第に言う事をきかなくなり、
程嬰の奥さんと息子を殺した男を心底慕うようになっちゃって、
観ている側は、程嬰の計画は大丈夫だろうか?
後で大どんでん返しになるのではないか・・・と
もうヒヤヒヤものでした。

実際にどうだったのかは、ぜひ劇場で。

程勃は、程嬰の長きにわたる計画など何も知らず、
彼の息子として育てられるというというすさまじい運命。

程嬰の奥さんと息子を殺した男は、ただただ憎き部分だけではなく、
思わず彼に同情してしまう部分も持ち合わせている
どこか可哀想な男。

みんながみんな非常な運命の中であがいている。

この物語には深い歴史的背景があるのですが、難しく考えず、
自分で何も選ぶことができず、
本当の親でもない他人に決められた運命を歩むことになった
運命の子の「運命」を観てきてください。