2011年2月24日木曜日

映画 『デザートフラワー』

名古屋では、2月12日~ゴールド劇場で
公開されている「デザートフラワー」は、
スーパーモデルとして活躍したソマリア出身の
ワリス・ディリーの自伝本「砂漠の女 ディリー」
を映画化した作品です。

ワリスについて紹介していたあるTV番組を観ていた母から
この映画の事を聞いて公開されるのをとても楽しみにしていました。


ソマリアの貧しい遊牧民の家庭に生まれたワリスは、
13歳の時に父親に、お金と引き換えに
奥さんが何人もいる老人と結婚させられそうになり、
一人で家を抜け出すんです。

後にロンドンにたどり着き、ホームレスとして生きていた彼女は、
ある出会いをきっかけにショーモデルとなって
華やかな世界で劇的な活躍を魅せます。

そんな中、彼女は幼い頃のある辛い体験をした事を告白して、
これ以上同じ思いをする人がいなくなるように・・と、
ある行動に出るんです。



アフリカの赤道近くの国では3歳から初潮を迎える前までの女子に
女性性器の一部かあるいは大部分を切除したり、
膣口を閉じてしまうという風習があるそうです。

この風習には、性的な純潔を守る意味が込められているんですが、
麻酔や鎮痛剤もなく不衛生な場所で行う為、
施術した後にも猛烈な痛みがあったり、
多くの出血や感染症に苦しむ女性も多く、ワリスもその一人でした。

中には、死に至る人までいるとか。

今でも年間220万人ほどがこの施術を受けているそうなんです。

この風習が苦痛の他、何の意味もないことを自らの経験で知ったワリスは、
この事実を世間に伝えて、完全に廃絶する為に動いています。
過酷な環境で生きてきたワリスが人を信じ、愛した姿、
そして、彼女が体験した事実を世界に公表した勇気が心に残りました。

そして、この作品を観た後、
「女性である事の意味」を深く考えさせられました。


正直この作品の中の事実にかなりの衝撃を受けましたが、
1人でも多くの人に観てもらいたい作品です。