2011年10月29日土曜日

映画 『天国からのエール』




阿部寛さん演じる
この作品の主人公、大城 陽は、
ちゅらうみ水族館で有名な沖縄県本部町で
小さなお弁当屋さんを営んでいます。




お弁当を買いに来る顔なじみの高校生たちが
バンド練習をする場所がなくて困っている事を知った陽は、
彼らの夢や目標をなんとかして叶えてあげたい・・・と
私財をなげうって弁当屋のガレージに手作りのスタジオを建て、
高校生達に無料で提供するんです。

彼らの為に提供したのは、スタジオだけではありません。

彼らの私生活での悩みまで全てを背負い、徹底的に支えていくんです。

そして、
「あいさつは必ずする」
「勉強やバイト優先」
「赤点は絶対にダメ」
「人の痛みのわかる人間に」
などの10ヵ条を作りスタジオを使う条件を定めて、
子ども達に人として大切な事を教えます。

自分の人生すべてをこどもたちのためにささげたかのように彼らにつくし、
彼らを本気で叱って本気で愛す陽は、
「にいにい」と呼ばれスタジオに通う子どもたちにとって
かけがえのない存在になっていきます。

実は、こども達の夢を叶えるために一生懸命な
「にいにい」こと大城 陽は、
沖縄、本部町にある音楽スタジオ「あじさい音楽村」の創設者
仲宗根 陽(なかそね ひかる)さんがモデルなんです。

仲宗根さんは、腎臓がんの為、
2009年に42歳の若さで亡くなったのですが、
彼が若者の夢を応援する為に作ったスタジオ「あじさい音楽村」は今も存在し、
若者達が夢を叶える為に、日々、頑張っています!

そしてこれまでに「あじさい音楽村」から
数組のアーティストがプロとしてデビューし、
夢を現実のものとし、アーティストとして活躍しています。

そんな「あじさい音楽村」は仲宗根さんが天国に旅立ってからは、
奥様の美幸さんが支えていらっしゃるそうです。

この奥さんがまたすごい方なんです!

仲宗根さんは、奥さんや家族の意見も聞かずに
若者の夢を応援する為に全てをささげてきたのですが、
奥さんはそんな仲宗根さんや子ども達の夢まで全てを受け止め、
病気の仲宗根さんを支え、そして今では、
仲宗根さんが命をかけて守ってきた「あじさい音楽村」を
守っていらっしゃる。

すごい女性です!!
さすがみんなのにいにいのお嫁さんです!

中々できないことです。

私でも誰かのためにできる事はあるんだろうか・・・とふと頭をよぎりましたが、
こんな逃げ腰では仲宗根さんに怒られますね。

仲宗根さんに育てられ、メジャーデビューしたガールズバンド 
ステレオポニーの「ありがとう」という曲がエンディングでながれた時には、
エンドロールが涙でかすんで見えないほどでしたが、
涙が乾いた頃には、心の中がなぜか温かく、熱くなってました!!

スクリーンの中の温かくて優しい「にいにい」にぜひ会ってきて下さい!

10月1日から公開しています!

2011年10月28日金曜日

映画 『コンテイジョン』


先日、試写会で怖い映画を観てきました。

映画を観た後、映画の事を考える度に
怖くてたまらない。

怖い・・・と言っても怪奇的とかではなくて、
実際にこの世に起り得る事しての
恐怖度合いがものすごいんです。


コンテイジョン(Contagion)とは日本語で、
接触感染、伝染病という意味。

この作品は、人が人と接触して、
どんどんどんどん感染が広がっていくというもの。

同じバスの中に居合せたり、商談で握手を交わしたり、
店員と客の関係で同じ物を触ったりする中で、
ウイルスの感染が広がっていきます。

しかも、感染者たちが、出張や旅行などで海外に移動したため、
感染がシカゴ、ロンドン、パリ、東京・・・と世界中に広がり、
感染者数も1人から4人、16人・・・何百人、何千人になって、
死亡者が増えていくいっぽうなんです。

そんな中、この危機をなんとか救う為に大勢の人が立ちあがり、
全力をつくしていきます。


果たして、結末は?発生地点は?


そもそもこのウイルスに最初に感染した人は、
ほんの一瞬の出来事からでした。

その発生理由、発生地点が明らかになった時、
映画館全体がためいきのようなもので包まれました。
これは最後の最後でわかります。

私たちが住む今の世の中でも起りそうなことなんで、
怖い!!

オフィシャルホームページの予告を観ると、
映画館での恐怖がよみがえってきます。

起り得る恐怖を回避する為にも
心の準備のためにもこの作品は必見です!

今回は、あえてこの程度しか紹介しません。
あとは、劇場であなたの目でこの恐怖をみてきて下さい!

「オーシャンズ13」「トラフィック」の
スティーブン・ソダーバーグ監督の下、
グウィネス・パルトロウ、マット・デイモン、
ジュード・ロウ、ケイト・ウインスレット、
マリオン・コテヤール他豪華キャストの
体を張った演技も見どころです。

2011年10月22日土曜日

映画 『モンスター上司』



試写会でこの作品を観てから、
公開前に友達や知人にすすめまくっている
個人的に大のお気に入りの映画です。

本国アメリカで今年の夏に公開された
「モンスター上司」(原題 Horrible Bosses)
がついにここ日本で10月29日から公開になります。


ざっとストーリーを紹介すると、
ニック、カーター、デイルという仲良し3人組男子には、
それぞれとんでもない上司がいて、
3人集まれば、いつも上司の愚痴大会となっていましたが、
上司たちの度重なる悪態に堪忍袋の緒が切れた3人は、
みんなで協力し合って上司達をこの世から消そうと計画するんです。

3人と彼らそれぞれの上司はどうなっていくんでしょうか???

みなさん、翌日の筋肉痛を覚悟して観て下さいね。

私は、笑いすぎて普段使わない体中の筋肉を使ったのか、
翌日どころか2.3日体が痛かったですもん。


何が笑えるって?


もう全てが笑えます!!


中でも最高だったのは、
セクハラをする歯科医師の役を演じている
ジェニファー・アニストン。

アダルトビデオの1シーンかと思うぐらいの
エロさには驚きましたが、
これがめちゃくちゃハマリ役。

ジェンは、今まで隣のお姉さん的な役や、
姉ご肌のかっこいい女子役の印象が強かったので、
今回の意外性のある役どころ、最高です!!

徹底的にエロいところがかっこいいしおもしろいし、
観ていてスカっとするし・・・

何とも口では説明できない凄さがあります。


その他にも、コリン・ファレル、ケビン・スペイシーが
バカハラ、パワハラの上司役で出演していますがこれがまた・・・

おもしろい!


主役の3人 ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、
ジェイソン・サダイキスに加えてジェイミー・フォックスと
出演者の顔触れも個性的。

ありえないぐらいとんでもない上司の登場の他、
ばかばかしい珍ハプニングの続出で笑いっぱなしのこの作品。

日頃、自分がいろんな事に対してカチンときたり、
傷ついたりしている事がばかばかしく、どうでもよくなってきました。

もうだいたいの事は笑い飛ばせそうだわ!

とんでもない上司と部下たちが繰り広げる
とんでもない痛快コメディーを
一度、みてみてください!!

2011年10月20日木曜日

映画 『WAYA 宇宙一のおせっかい大作戦』


愛知県 猿投を舞台に
戦国武将の霊と町の人が一体となって
ダンボールで城を建てる物語が
話題になった作品「築城せよ!」の
古波津 陽(こはつ・よう)監督が
またまた愛知県を舞台にした
作品を届けてくれました。



今度は、名古屋市西区にある商店街「円頓寺」が舞台。

私が子どもの頃、近所のおじさんやおばさんにも当たり前のように叱られ、
気にかけてもらえたあの時代を思い出すような
人情にあふれた、商店街の人達の人間ドラマです。


この映画の存在を知った時に「観たい!」ってすごく魅かれました!

個性的な出演者に加えて
『WAYA 宇宙一のおせっかい大作戦』ってタイトルや
内容も面白そうだと思ったから。

実際に観てみて、期待以上でした。
たくさん笑って泣きました。


今までに観た名古屋を舞台にした映画って、
不自然な名古屋弁のイメージがあったりしたのですが、
この作品は名古屋弁はあまりフィーチャーされず、
それよりも人情とか風習とか商店街の結束、
究極のおせっかい・・など
名古屋弁以外で名古屋色が出ていたので、
作品の中に自然に入りやすかったです。

地域の人同士の付き合いが希薄になっている世の中とはいえども
私が育った地域ではまだ映画の中のようなことがあるし、
大切な場所、大切なもの、大切なことを認識させられました。

ここ愛知県から全国に羽ばたいていった人達が
出演者として多く登場しているという点でも親しみやすかったです。

愛知県出身のスピードワゴンの井戸田潤さんが演じた勘太郎は、
青年団の団長で物語の中のおせっかいの大作戦の中心になる人物。

います。います。こーいう人。

時にうざいけど、勘太郎みたいな存在の人には心底救われますもん。


それに藤田朋子さん演じたえりさんみたいな人も、
いる~~!!

話好きで、他人のプライベイトに関しても
はっきりとものを言ってくれるおばちゃん。
(おネイサンかな?)

えりさんのような人には
親には話せない事も相談できちゃうんだなぁ。


井戸田さんや藤田さんの他、
水野美紀さん、スピードワゴンの小沢一敬さん、
ルー大柴さん SKE48の松井珠理奈さんなどなど、
出演者の方全員の演技が印象に残っています。

私はいつも映画を観る時、
出演者の誰かになって観ていることが多いですが、
今回は自分のまま、この商店街の一員のような気分で観ていました。

エンディングで流れるHOME MADE家族の曲「ホームシック」が、
自分の居心地のいい場所を思い出させてくれると思います。

最初から最後まで、すべてがリアルに心に響く作品でした。
10月22日 土曜日から伏見のミリオン座で公開です!

2011年10月4日火曜日

映画 『親愛なるきみへ』



最近は、朝晩だけではなく、
日中も冷たい風にヒヤっとするぐらい
秋らしくなって人肌恋しい季節になりました。

という事で今回は、
心をあっためてくれるラブストーリーを
紹介します。



現在公開中の「親愛なるきみへ」は、
昨年アメリカで公開されて全米№1を獲得し、
大ヒットしました。

この映画は、すごくわかりやすいラブストーリーで、
登場人物のそれぞれの思いが
ストレートに心の中に飛び込んでくるような作品でした。


特に、主演の2人の目、表情から
セリフ以外の主人公の男女、
ジョンとサヴァナの思いみたいなのが伝わってきて、
この物語の深いところまで共感できました。

ラブストーリーだと、ヒロインの女性の立場でみている事が多いんですが、
今回は、ジョン、サヴァナの両方の立場で見ちゃいました。


米軍の特殊部隊に配属されているジョンが
2週間の休暇をとって赴任地のドイツから
サウスカロライナの実家に帰っていた時に
女子大生のサヴァナに出会い、2人は恋に落ち、
ジョンの休暇中の2週間の間に愛を深めていくんです。

すっかり彼女を愛してしまったジョンは、
1年後、軍を除隊して彼女とずっと一緒にいる事を約束し、
赴任地のドイツに戻っていきました。

2人は、遠距離恋愛になっても手紙でさらに愛を深めていたんですが、
ある事件が起きて2人の運命が変わっていきます。

そして、サヴァナからジョンの元に別れの手紙が届くんです・・・・・


その後のストーリーはぜひ劇場で。


ストーリーの最後にジョンがとった行動、
ホント素敵すぎます。

人を愛する事、愛する誰かを幸せにする事の深さをみてしまった。

これから誰かを好きになるハードルが高くなりそ~です(笑)

自分にとって大切な人、本当に大切にしてくれる人の姿がみえてきました。


それにしても主人公の2人が輝いてましたね。

サヴァナ役のアマンダ・サイフリッドは、
映画「マンマ・ミーア」で大ブレイクし、
資生堂のイメージモデルとしてもここ日本でおなじみですが、
透明感のある素敵な女優さんです。

ジョン役のチャニング・テイタムは、
「G.Iジョー」などにも出演していましたが、
今まで恥ずかしながらノーマークでした。

めちゃめちゃかっこいいです!!
これから要チェックですよ!

要チェックといえば、この作品の要の役で
あの名作「ET」に主演していたヘンリー・トーマスが出演しています。

ストーリーの中で彼に対して
「え??どういう事?」って思う瞬間があるんですが、
実はこれには深い訳が・・・・・

気になった方は観てきて下さい。


後味のいいラブストーリーです。
特に今、恋したい人、必見です!!

映画 『ホームランが聞こえた夏』

先日、観た後にとてもすがすがしい気分になる韓国映画
『ホームランが聞こえた夏』を観ました。

この作品は、韓国のプロ野球界で暴力事件をおこし、
野球界からの追放の危機に陥ったキム・サンナム選手が
聴覚障害者の子どもたちが通う学校の
野球部のコーチを務める事になるところから
物語がスタートします。

そして、そんなキムコーチの熱血コーチぶりと
彼の鬼のような指導に必死にくらいついていく
野球部員の歩みが描かれています。

このキムコーチは、
暴力事件を起こしちゃってるぐらい荒っぽくて言葉づかいも悪いし、
決して生徒にとってお手本になるような人物ではないんだけど
辛いランニングなどの練習を生徒たちと一緒にやったり、
障害を持ちながらも日々頑張っている子ども達に、
彼が身体を張って厳しさを教えるんです。

私もあなたも学生時代にもしこんな熱血先生に出会ってたら
どうなっていたんでしょうね・・・。


昭和の時代の青春ドラマ、スポ根ドラマにハマっていた方には、
超ストライクゾーンだと思います。

キムコーチの愛情こもった厳しい指導の中で
こども達のモチベーションや努力度もアップしていきます。

映画の最後の方は、キムコーチと野球部の部員たちだけでなく、
彼らが対戦する相手側のチームや彼らにかかわるすべての登場人物に
親しみを感じるような気持ちのいい作品です。


みんな、自分一人で頑張ってきたつもりでも
絶対に陰ながら支えてくれている人はいる訳で、
私の場合は、その人の存在はわかっていても
その人の気持ちまではわからない事が多かったけど、
その人の気持ちになってみること、
わかろうとする事を教えてくれる作品でもありました。

ただ、涙、感動~~~ではなく、
思いっきり笑って泣いて、力がもらえる。
観た後に、ヨッシャー、私も!って立ちあがって
気合が入るような映画でした。


それに、この映画の中の登場人物それぞれの立場で観たり、
登場人物達のその後について想像力を広げられる要素がいっぱいあって、
映画鑑賞後、会話に花が咲く、咲く~~~~!!!

「コーチと女の先生、あれからどうなったんだろうね?くっついたのかな?」etc・・・
想像や話が止まらない!!


こんな感じで登場人物の今後も気になるぐらい
映画の中に入りこんじゃいました。


私が特に気になる登場人物は、
キム・サンナム選手のマネージャー。

彼、めちゃめちゃ面白いし、ものすごくいい人なんですっ!!

彼のような個性的な登場人物の他、
沢山のみどころがあるこの作品は必見です!

2011年10月1日土曜日

映画 『ライフ』

現在公開中の『ライフ いのちをつなぐ物語』は、
イギリスの放送局BBCが6年間、
撮影日数3000日をかけてつくりあげた
生物達のドキュメンタリー作品です。

この中に登場する生物たちは
この世に生を受けた人間以外の動物、植物たち。
みんな生きていくために日々闘っているもの達です。

この作品の中には世界18ヵ国、24箇所で撮影された
さまざまな生物達の生きる様子が綴られていますが、
中でも特に印象に残っているのは、
ここ日本で生まれ、生活しているニホンザル。

彼らの中では、いろいろ上下関係があるようで、
雪が舞うとっても寒い中、
温かい温泉を目の前にしてお湯に浸かれるのは、
ほんの一部のサルだけ。

彼らの世界のルールでは、階級が高いものだけが温泉に入れて、
入れない身分のサルたちは温泉の周りで
湯気の温かみで寒さをしのいでいるんです。

階級が高い血筋に生まれたもの、そうではないものでは、
同じ子どもであっても生活が全く違う。

恵まれない環境での生活を強いられたサル達は、
幼い頃から常に耐える事を教えられ、
知恵をしぼりながら生きていく為に頑張っています。

そんなニホンザル達の他、
いつ敵に狙われるかわからない状況で
生きている生物たちもたくさんいます。


例えば、ハネジネズミ。
彼らはかなりの頭脳派です。

自分よりも動きが早い敵から身を守るために、
縄張り中の道のカーブを全部記憶して、
常に完璧な逃げ道を整えているんです。


あと、一生に一度だけ産卵するミズダコは、
卵を産んだ後の半年間、
飲まず食わずの状態で卵につきっきりで
子どもが卵からかえるまで必死で守るんです。

そして子どもたちが卵からかえる姿を見届けた後、
一生を終えます。

このように地球上に存在する生物たちは、
この世に生を受けてから息絶えるまで、
誰かのため、何かのため、精一杯生きている事、
生きていくことはこれほどにも大変なのかを
作品を通して知りました。

不自由なく生かされている事に感謝もせず、
当たり前のように生きて、
その上、日々の生活に不平不満を言っていた自分を
どこかに隠したい。


何をやってたんだか・・・・・・

動物だけじゃなくて、陸も海も空も・・・・
みんな生きていて誰かと何かをつないでいる。

この壮大ないのちをつなぐ物語を観て、
何も感じない人はいないでしょう。

感動という言葉は簡単に口にしたくないけど
とにかく感動しました!! 


あなたの大切な何かとあなたをまた
一歩近づけてくれる作品だと思います。